水の災害に備えて
身近なため池の防災を考える。
香川のため池の今
水の少ない香川では、1万4千個のため池があります。
そこから沢山の恩恵を受けてきました。
しかし、現在は水田の数が減ったり、耕作地が宅地になるなど、使われなくなったり放置されているため池が多く、
そのうち、7千個前後がその危険性さえ検討されていないのが現状です。
予期できる
災害時に
台風や集中豪雨が予想される時
毎年のように、手入れのされていないため池や、予想を上回る水位が気になり、暴風雨の中ため池の様子を見に行き危険な目に合う事故が起きています。予知できる危機を、安全に回避できる方法はあるのでしょうか?
ため池を決壊させない
決壊を遅らせるには?
考え方
ため池の水位をあらかじめ1.5m下げておくことで「満水状態」になることを遅らせ、越流や、決壊が防げるのではないか?
決壊までの時間を確保することで、避難の時間が伸ばせるのではないかと考えました。
水位を下げることの効果
水位を1.5m下げておくことで、池に雨がたまる時間を確保できます。
越流まで防ぐことが出来れば、堤の決壊も予防できます。
また、これから放流するという通知を住民に知らせることも、
災害予防・意識づけに出来るのではないでしょうか。
水位を下げる種手段
水位を低下させる方法はいくつか考えられますが、私たちは、真空ポンプとホースを組み合わせた上越サイフォン現象を利用したシステムを考えました。
山の中や、手入れのされていない「ため池」もあるので、設置場所まで持ち運びが容易で、軽量であることが大切です。
また、必要な設置場所も大きくなく、簡易に設置・撤去もできる装置が望ましいです。
設置が簡単であること
設置後の扱いやすさ
一度設置すれば、電磁弁と真空ポンプの操作をスマートフォンアプリで操作させることができるようにしておくことで、降雨時にため池に近づいて被災するといった事故も軽減させることができます。
太陽光パネルを利用することで、設置後は動力に大きな電源を必要としません。
小型真空ポンプを使用することで、小型発電機や、コンパクト充電器などで対応可能です。
放流をスマホのアプリなどで
排水電磁弁の解放時に知らせるシステムを連動させ、管理者がため池の放流が始まったことを知らせたり、近隣の住民の方へは、どのような状況になると避難が必要になるか?また、避難時間確保の流れ等を説明することも、アプリなどの機能に盛り込むことで可能となります。
大切ないのち、財産を守るために
誰でも簡単に情報・警報を入手できることが第一です。
管理者が、ため池の放流が始まったことを知らせたり、避難経路の提案までできるアプリなどを作り、
連動させることで更なる安全への提案ができるようにもしたいと考えました。
そのためには、ため池アプリとコミュニティーを連携させることで、ため池の下流部で暮らしていらっしゃる方々の避難のきっかけに繋がり、避難者の取りこぼしも防げる。そんなシステムにしたいです。
今後は、ため池の管理者、県・市町村の農林関係の部署、アプリ開発のソフトウエアエンジニア、
農林土木のエンジニアなど、各分野の専門家と共にシステムを構築したいです。
必用以上に不安をあおるのではなく、これから放流することを事前に通知することや、放流解除のお知らせなどで
安心も提供できるように出来ると思います。
ため池防災システム提案プロジェクトチーム2020
小見山 翔
富士本 南美
大林 律馬
筒井 一斗